《地方競馬プロモーションビデオ「みなさまのくらしのために」30秒篇》
日本で行われている競馬には、地方自治体等が主催している「地方競馬」と日本中央競馬会(JRA)が主催している「中央競馬」があります。昼間の開催に加えて、「ナイター競馬」や、馬がソリをひいて力強さと速さを競う、世界で唯一、日本にしかない「ばんえい競馬」を行っているところが地方競馬の特徴です。また、各地の競馬場で多くの「女性騎手」が活躍しています。
競馬開催の主な目的・役割は、馬の改良増殖やその他畜産の振興、地方財政に寄与することです。地方競馬では、馬の改良増殖やその他畜産の振興は主に地方競馬全国協会(以下NAR)へ売上の一部を交付することで実施され、地方財政への寄与は、①競馬を開催している自治体への分配金や②地方公共団体金融機構への納付金、 ③災害復興支援や国家的行事等への拠出等によって行われています。
令和4年度の主催者収益金は、約202.1億円です。この収益金は、地域の教育・文化の発展や社会福祉の増進、 医療の普及やスポーツの振興、都市計画その他公共施設の整備などに使われ、地域のくらしに役立っています。
主催者は、競馬法に基づき売得金の一部をNARへ交付しています(令和4年度実績:約147.8億円)。 この交付金はその利用目的に応じ2つに分けられ、馬の改良増殖その他畜産の振興のための事業に使われる一号交付金と、 馬主及び馬の登録、調教師・騎手の免許及び騎手等の養成など、地方競馬の公正で円滑な実施のための事業に使われる二号交付金があります。
NARは一号交付金を原資として、畜産振興事業に対して補助を行っています。補助の対象は、酪農、肉用牛、中小家畜など家畜の生産対策に関する事業や、 生産された家畜や畜産物等の流通改善のための事業、家畜の飼養環境改善事業などです。
さらに、平成17年度からはNARの交付金と併せて、JRAからの交付金を活用し、競走馬生産振興事業として種牡馬の導入、繁殖牝馬の導入、血統登録に関する事業などに補助を行っています。
令和4年度の畜産振興事業・競走馬生産振興事業へのNAR補助金は約38.9億円で、 NAR設立以来、令和4年度末までの累計で2,100億円を超えています。※JRA交付金活用分を除く
公営競技の収益の一部を地方公共団体金融機構※へ納付する制度で、令和4年度には全国の地方競馬主催者の合計で約42.3億円を納付し、平成30年度~令和4年度の5年間で累計約121.2億円が納付されています。公営競技納付金は地方公共団体の上下水道や病院、交通等を対象とした公営企業債や一般会計債の利子の軽減に活用されています。
つまり、地方競馬の収益は、競馬を開催している自治体だけでなく、その他の自治体に対してもさまざまな形で還元され、広く社会に貢献しています。
※地方公共団体金融機構
全国の地方公共団体の事業に対し長期・低利子で融資を行うことなどによって、地方公共団体の財政の健全な運営および住民の福祉の増進に寄与する公的な団体。